ニュートラルポジションとは?理想アライメントのランドマークを姿勢ごとにまとめました!!【正しい姿勢を知ろう】
- 2021.08.26
- 体幹 評価 運動学
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こんにちは!
理学療法士のヨシキです!
今回はアライメント評価において重要となるニュートラルポジションについてまとめていこうと思います。
アライメント評価を行うことで、組織の力学的負荷など治療前に予測できることが多くあります。
そこで、今回は臥位・座位・立位におけるニュートラルポジションについてランドマークから解説します。
ニュートラルポジションとは
ニュートラルポジションとは、筋肉・靱帯・関節への負担が最小限であり、各運動機能が発揮しやすく循環機能においても円滑に発揮しやすいとされる、全身のバランスが取れているポジションのことです。
地球に住んでいる以上、身体には常に重力が作用します。
そのため、重力に抗して姿勢を保持するために抗重力筋が常に働いています。
しかし、抗重力筋は常に一定に働いているのではなく、姿勢変化に伴い重心線が身体中心からズレるのに対して収縮様式を変え重心線を直ちに修正することで姿勢バランスを維持しています。
つまり、重心線が身体中心を通るニュートラルポジションから逸脱すると抗重力筋への負担がアンバランスとなることが考えられますね。
臥位のアライメント評価
1.仰臥位
- 両膝関節及び両足部の間隔は拳1つ分
- 乳様突起と肩峰が同一直線上に位置する
- ①頭頂–②鼻–③両側肩峰を結ぶ線の中央–④両側上前腸骨棘を結ぶ線の中央、この4点が同一直線上に位置する
- 両側肩峰を結ぶ線と両側上前腸骨棘を結ぶ線が平行
- 両側上前腸骨棘と恥骨結合を結んでできる面(三角形)が床面と平行
- 第10肋骨と上前腸骨棘を結ぶ線が床面と平行
- 第11肋骨と第12肋骨が床面に接地
2.腹臥位
- 両膝関節及び両足部の間隔は拳1つ分
- 頭頂と第7頚椎が同一直線上に位置する
- ①頭頂–②外後頭隆起–③両側肩峰を結ぶ線の中央–④両側上前腸骨棘を結ぶ線の中央、この4点が同一直線上に位置する
- 坐骨結節–膝関節中心–足関節中心が同一直線上に位置する
- 両側肩峰を結ぶ線と両側上後腸骨棘を結ぶ線が平行
- 両側上後腸骨棘と尾骨を結んでできる面(三角形)が床面と平行
- 第10肋骨と上前腸骨棘を結ぶ線が床面と平行
- 第11肋骨と第12肋骨が床面に接地
- 翼状肩甲になっていないこと(肩甲骨が浮いていない状態)
座位のアライメント評価
座位アライメント評価でのポイントは骨盤の傾きです。
スタティックな関節モーメントにおいて最も大きいのは座位姿勢と言われており、特に弛緩した座位の時に負担が大きいです。
というのも、弛緩した座位では骨盤後傾位となります。
そのため、腹横筋などのコアマッスルや腹斜筋群が弛緩してしまい、胸腰筋膜の緊張低下が腰椎の安定性を減少させてしまうとされています。
以下に座位ニュートラルポジションのアライメントをまとめます。
- 乳様突起と肩峰が同一直線上に位置する
- ①頭頂–②鼻–③両側の肩峰を結ぶ線の中央–④両側上前腸骨棘を結ぶ線の中央、この4点が同一直線上に位置する
- 坐骨結節–膝関節中心–足関節中心が同一直線上に位置する
- 両側肩峰を結ぶ線と両側上前腸骨棘結ぶ線が平行
- 両側坐骨結節と恥骨結合を結んでできる面(三角形)が床面と平行
- 両側上前腸骨棘と恥骨結合を結んでできる面(三角形)が床面と垂直
- 両側上後腸骨棘と尾骨を結んでできる面(三角形)が床面と垂直
- 第10肋骨と上前腸骨棘を結ぶ線が同一直線上に位置する
- 第11肋骨と第12肋骨を結ぶ線が上前腸骨棘と同一直線上に位置する
立位のアライメント評価
正常姿勢の概念は一般的に統一されているわけではありませんが、どのような観点から姿勢をとらえるかによって、理想姿勢の基準も変化します。
国試などによる基本的立位姿勢の理想的アライメントでは、重心性が通る位置を前額面と矢状面から観察します。
前額面では、①後頭隆起–②椎骨棘突起–③殿裂–④両膝関節内側の中心–⑤両内果間の中心
矢状面では、①乳様突起(耳垂のやや後方)–②肩峰(肩甲上腕関節の前方)–③大転子–④膝関節前部(膝蓋骨後面)–⑤外果中心から4〜5cm前部
以下に立位ニュートラルポジションのアライメントをまとめます。
- 頭頂–乳様突起(外耳孔)と肩峰が同一直線上に位置する
- ①頭頂–②鼻–③両側肩峰を結ぶ線の中央–④両側上前腸骨棘を結ぶ線の中央、この4点が同一直線上に位置する
- 坐骨結節–膝関節中心–足関節中心が同一直線上に位置する
- 膝蓋骨が第2中足骨と同一直線上に位置する
- 両側肩峰を結ぶ線と両側上前腸骨棘を結ぶ線が平行
- 上前腸骨棘と上後腸骨棘の幅が2横指程度
- 第10肋骨と上前腸骨棘を結ぶ線が同一直線上に位置する
アライメント変化によって生じる関節モーメントについてもまとめているので合わせて見てみて下さい!(^ ^)↓↓
まとめ
アライメント評価を行うことは、臨床において多々あると思います。
様々な病態の患者さんを診ていく中で、アライメントから力学的負荷を考えることはとても有効であり、患者さんに対してのアウトプットにも役立ちます。
今回は、スタティックアライメントの基本についてまとめたので、次回は関節モーメントなどの力学的推論について解説していこうと思います。
それでは、今回はこの辺りでおしまいです。
今後も皆様の役に立つ情報をお伝えできればと思います!
理学療法士 ヨシキでした!
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